中国、インド、ネパールなどの高地に棲息しています。シセンレッサーパンダとニシ(ネパール)レッサーパンダの2亜種がおり、日本の動物園で飼育されているレッサーパンダは、ほとんどがシセンレッサーパンダです。ニシレッサーパンダはシセンレッサーパンダに比べ、体毛の色が白っぽく、わずかながら小型です。ジャイアントパンダほど発達はしていませんが、レッサーパンダにも物をたぐり寄せることなどに便利な「第六の指」と呼ばれる骨の指状突起物があります。これは食物である笹の葉やタケノコを包み込むように掴むことに役立ちます。近年、日本の動物園で「直立姿勢」をとるレッサーパンダが話題を呼びましたが、この行動は野生下では、天敵の存在などを探るために遠くを見渡したり、メスを探したりするときにとられるのではないかと言われています。
レッサーパンダは現在その数を激減させており、ワシントン条約で「附属書I」に指定されています。野生の棲息数はすでに5000頭を下回っているとみられ、棲息環境の保護・改善、種の保全が急務とされています。(2006.7) |