脊椎動物門 哺乳綱 海牛目 ジュゴン科
ジュゴン
Dugong dugon
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分 布
太平洋東岸からインド洋にかけての温暖な浅海
体 長
約2.5m前後
【ジュゴン】
太平洋東岸からインド洋にかけての温暖な浅海に棲息する大型海棲ほ乳類。平均寿命は長く、50年ほどと考えられており、70年以上生きた例もあります。
主食は亜熱帯の温暖な海に繁茂するアマモ類などの海草です。ジュゴンが海草を食べた後にはフィーディング・トレンチとよばれる「はみ跡」が残ります。極端な偏食性でもあり、まれにカニやナマコなどの動物食もとりますが、ほとんどはアマモ、ベニアマモなどの海草で、逆に言うとこれらの海草が繁茂する自然環境が破壊されると移動性の低いジュゴンの地域個体群は絶滅してしまいます。
体長は2.5mから大きくなると約4メートルに達することもあります。クジラに似た流線型の体型で、体毛はほとんどありません。前足が退化した胸びれ、水平方向に広がる三日月型の尾びれを持ち、胸びれの付け根には左右一対の乳頭があり、子どもはこの部分に頭をつっこむ体勢で乳を飲みます。
ジュゴンは性成熟するまで10年、出産は3〜7年に1度、1子1産、さらに授乳・子育ての期間が約18ヵ月と長く、種の個体数の増加能力が年5パーセントほどとたいへん低い動物です。現在東アフリカ沿岸から日本の南西諸島まで、約10万頭が棲息しているといわれていますが、世界中どの地域でも個体数が減少傾向にあります。理由はこうしたジュゴンの繁殖能力の低さに加え、棲息環境の悪化や漁網にからまる事故死などが考えられます。
日本では沖縄島沿岸にのみ棲息が確認されており、ジュゴンの棲息域としてはもっとも北に位置します。しかし昨今の環境破壊などの影響でその数は激減し、現在の棲息数は50頭を下回るとみられています。さらにジュゴンは移動性が低いという特性があり、孤立した地域個体群は他の離れた地域の個体と出会うことはまず不可能で、沖縄島沿岸のジュゴンはより積極的な保護対策をとらなければ近い将来絶滅するでしょう。
この貴重な海棲ほ乳類であるジュゴンの姿を見ることのできる施設は、日本では三重県の鳥羽水族館だけであり、同館ではジュゴンの長期飼育世界一の記録をほこり、現在もなお更新中です。ジュゴンは飼育動物の中では餌代が世界一高いことでも有名です。鳥羽水族館では餌である海草を韓国から空輸で取り寄せていますが、その1年の餌代の総額は2000万円を超えます。
余談ですが、鳥羽水族館で飼育されているメスのジュゴン「セレナ」は同じ水槽で飼育されているアオウミガメの「カメ吉」とたいへん仲が良く、いつも寄り添って泳ぐ姿を見ることができます。以前、ある調査のためカメ吉を他の水槽に移したところ、とたんにセレナの元気がなくなり餌も食べなくなってしまったそうです。そこでカメ吉を元に戻すとセレナはふたたび元気を取り戻しカメ吉と仲良く泳ぐようになったそうです。鳥羽水族館にジュゴンを見に行く際はそういった見どころもあることを踏まえると、さらに楽しめるのではないでしょうか。
(2007.3)
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