陸棲生物の中でもっとも背の高い動物です。キリンの仲間は、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南に棲息し、地域や個体により模様の差が大きく、多くの亜種に分類されています。
アミメキリンの主食は主にアカシアなどの木の葉や小枝です。長い舌と門歯や犬歯を上手に使い、葉だけを濾しとり、ウシのように反芻して食べます。基本的には草食ですが、稀に小鳥などを食べる様子も確認されています。生息地の草原には主食となる木がまばらにしか生えていないため、オスは木の高いところの葉を食べ、メスは木の低い部分の葉を食べます。これは食物が不足することを防ぐための「食べ分け」と呼ばれる行動です。
通常、1頭のオスに2〜3頭のメス、子どもからなる小規模な群れで暮らしますが、繁殖期には十数頭の群れをつくります。キリンは視力、聴力ともにすぐれており、成獣になるとあまり外敵に襲われることはなくなります。しかし、子どもはライオンなど肉食獣の標的にされることがあるため、他の草食動物と同じように、産まれてすぐに立ち上がろうとし、数時間後には歩くことができるようになります。危険が多い野生で生き残るための最初の試練です。
キリンは時速45〜50kmと意外な程速く走ることができますが、長い距離を全力疾走することはしません。長い首の先端にある脳へ血液を送らなければならないため、血圧が高く長時間の激しい運動は命とりになります。500m全力疾走すると生命の危険にさらされるとも言われています。(2005.1) |