マダガスカル島東部から北部、涼しく湿潤な環境の原生林に生息している世界最重量のカメレオン。体格ががっちりとしており、支える四肢も太く、頭部も大きい。分布域により体形や体色に違いが見られ、主なバリエーションとして、体は濃い青緑でまぶたがオレンジ色をしている「オレンジ・アイ」、体から顔まで全身が黄色い「イエロージャイアント」、その他「イエローリップ」など数々の種類があります。雄の吻端には1対の角があり、雌にはみられません。象皮のような質感に見える皮膚は、意外にしっとりとした肌質をしています。成熟個体の雌は全身が緑色をしており、雄に比べ体色を変化させる能力が優れています。雌は平均30個前後の卵を産み、孵化には500〜700日と長い期間を要します。
原生林の消失による生息地の減少や乱獲などで野生個体の急激な減少が心配されており、マダガスカル政府は積極的な保護政策をすすめ、希少野生動物の輸出を禁止しています。繁殖された個体を、ペットとして合法的に入手することは可能ですが、カメレオンは臆病な動物であり、人の視線などでストレスを感じやすく、また温度・湿度管理も重要で、飼育は必ずしも容易とはいえません。(2004.12) |