サメなど軟骨魚綱の仲間は、恐竜が地球上にあらわれる遥か前、古生代デボン紀にあらわれたとされ、古代よりその姿をあまり変えず現代にいたっている生物です。現生するサメの仲間は350種以上知られています。新生代第三紀(2500万年〜400万年前)に棲息したメガロドンは体長約13m以上もあった巨大なサメで、特徴がホオジロザメとよく似ており、その祖先とされていましたが、近年では近縁種であったとの見方が主流です。
ホオジロザメは肉食魚としては世界最大で、サメの仲間の中では、プランクトンを主食とするジンベイザメやウバザメに次ぐ大型種です。魚類の他、アシカやアザラシ、イルカ、ラッコなどの海生哺乳類やウミガメ等を食べます。人食いザメとして有名ですが、実際に人間を獲物として狙っているとは考えられず、サーフボードに乗って手足をバタバタさせている様子等を、アザラシなどと勘違いして襲ってくると言われています。
口の中に何列も並んでいる特徴的な鋭い三角形の歯は、もともとウロコだったものが変化したもので、何度でも生え変わります。そのナイフのような歯の縁は細かいギザギザのノコギリ状になっており、獲物を引き裂くのに都合よく出来ています。また、サメの嗅覚は大変優れており、数キロ先の血の臭いを嗅ぎ分けることができます。更に生き物の動作により発生する微弱な電気を察知するセンサーのような能力を持つことも知られており、海のハンターとして優れた機能をたくさん備えています。(2004.12) |