カマドウマの仲間は全世界で1000種以上知られており、日本にも十数種棲息しています。
暗所を好み、自然界では雑木林などの岩の陰や洞くつの薄暗く湿った場所に多く見られ、その性質から人家の暗所(トイレ、軒下、床下、風呂場など)に入り込むことがあり、また予測のつかない動きから、不快昆虫の代表格とされています。
成虫になっても翅がないのが特徴で、そのぶん発達した後脚で驚異的な跳躍力を見せます。また夜行性で、体長の2倍以上もある触角は非常に優れた感覚器として働き、広範囲を敏感に感知することができます。複眼はあまりよく見えていないと考えられています。
かつて日本の家屋は風通しがよく、すき間が多かったため、風呂場や炊事場に屋外から入り込んだカマドウマがよくあらわれました。名前の由来も「竃(かまど)の馬」からきています。地方独特の別名も多く、神格化された名やウサギに見立てた名も存在し、昔の人はそれほどこの昆虫を忌み嫌っていたわけではなかったのかもしれません。今日では密閉性の強い家が増え、自然環境も悪化したため、屋内でこの昆虫を見る機会は少なくなってきているようです。(2007.2) |